吉珍ダイニング<京都・四条大宮> 2004/04
建都千二百年に立ち上げた「若衆会」の事務局長だった川村裕文君。彼とはコンビで千二百年広場をプロデュースした。その彼がリバー・オリエンタルの壁画を見て、私が絵を描きだしたことを驚き喜んでくれた。
川村君が経営する“吉珍”ダイニングに壁画を描くことになった。タイトルは「笑う金魚」。金魚の町、大和郡山を訪ねた。出目金、蘭鋳といった見た目の面白さよりも、和金や琉金を描くことにした。
自分の背丈よりも大きい金魚が「吉珍」特別室の壁面一杯に泳ぎ廻った。描き終えてみたら金魚が笑っていた。
絵を描く私の姿が机に隠れて見えなかった様だ。アルバイトの女の子が二人、金魚を見て「ワァー、カッコいい」と騒いでいる。
足元からシビれる様に、電流が走った。私が求めているのは、綺麗な絵でもない、匠で上手い絵でもない、「カッコいい絵」を描きたかったのだと若い女の子達に教えられた。
閉店のため現在は壁画がございません。