ビオ・トピア・センター<チェジュ島> 2005/10
「チェジュ島だけど壁画を描いてみる?」
京都市立美術大学(現・芸術大学)の図案科の同窓、高月昭子さんより電話があった。
「チェジュとは韓国の済州島のことか」私は確認した。
彼女のご主人、建築家、稲地一晃氏の主宰する計画工房が手掛ける仕事である。分譲別荘地ビオ・トピアのセンター施設にプールへと続くエレベーターホールがある。その壁面に描かないかとの事だった。
取り敢えず、現地に向かった。溶岩とススキのチェジュ島の秋に私は魅了された。韓国№1のゴルフ場ピンクス。伊丹潤氏が設計したポド・ホテルと美術館など全てはご機嫌だった。海外での初仕事は、こんなカッコ良い所で実現するのか。私は幸せ者だ。
現場に立った。
透明のエレベーターの向こうにプールがある。そのプールが私の壁画とつながるのが自然だ。蒲の穂、沢潟、布袋葵が生息する睡蓮の池に蛙と蜻蛉が戯れる情景が、私を包み込んだ。描くとなったら早い。十日足らずで描き上げた。
ラッキーだった。完成間近の日に、オーナーの金弘周氏が壁画を見てくれた。「有り難う」彼は私の手をとり喜んでくれた。